あなたの給料、本当に適正ですか?

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<2018.3.1 補足>

この記事に書いた裁量労働制について、安部さんが「働き方改革から裁量労働制は外します」と、事実上の断念を宣言しましたね。いつもは、適当な資料だろうが足りない疑問だろうが何でもかんでも強行突破する政権ですが、こればかりは政治家と一般ピープルからの圧力が9月の総裁選に影響があると思ったんでしょうね。あっさりと引きました。


最近何かと話題になっている「働き方改革」。これを「うさんくさい」と真っ向から否定するダイヤモンドオンラインの記事を読んでいて、僕もちょっと思い当たる節があります。それは、世の中に何万と出ている就職や転職の情報に書かれている「残業時間」や「給料」の話がどれだけ真実なのか? ということです。

残業時間と給料は表裏一体、ではなくなってきた

自分たちの人生を大きく揺るがす可能性のある求人広告なので、おそらくウソは書いてないと思うんですが、それでも会社側と職を求めている側にはギャップがあるようで、結構「こんなはずじゃなかった」というのをよく聞きますね。

そこで、給料にはどんな種類(かたち)があるのが見てみましょう。

時給制

一番シンプルなやつです。一時間働くことで得られるお金ですが、これを決定するための「最低賃金」というやつは47都道府県ごとに値段が違います。詳しくはコチラ!

日給制

日給はその日働いた時間とは関係なく、日ごとに計算されるお金(給料)です。
例えば、最低賃金が800円の場所で時給4800円の仕事があったとして(たぶん誰もやらないと思うけど)、6時間の拘束時間であればちゃんとした会社ですが、仮に7時間だったとしたら違法になります。

日給月給制

これ、よく見かけるわりにはシステムを知らない人が多いですね。月給制は「仮に1〜2日休んじゃったとしても、その分給料を差し引くことはありません」が、この日給月給制「休んだ分はしっかりと差し引く」という会社にとって都合の良い制度です。
なんでこのようなものが生まれたのかはわかりませんが、しくみはちゃんと知っておいた方がいいです。

月給制

おなじみの月給制です。今さら必要がないと思いますが、この中にあらかじめ残業手当が織り込まれている場合もあります。これを固定残業代(制)といいます。むかしは、みなし残業代と呼ばれていました。

わかりやすい給与計算ですと、
月給23万円+時間外手当 となりますが、

固定残業代が含まれていると、
月給23万円(固定残業代 月30時間分 4万5000円を含む。30時間を超えた場合は別途支給します)と書かれているはずです。

その場合、賞与の計算根拠となることの多い基本給は、23万円ではなく固定残業代が差し引かれた18万5000円となりますのでご注意ください。また、この4万5000円が適正な額なのかどうかを判断するための簡単な計算式がありますので、例を書いておきます。

18万5000円 ÷ 8(時間) ÷ 22(出勤日)

=これでだいたいの時給が出ます。この場合 1051円

1051円 × 30(固定残業制で決められた手当に該当する時間)

 × 1.25(割増率)=この場合 3万9412円

まあまあ妥当な金額ですね。もし、この計算式で書かれている金額が大きく下回っていたら? その会社はちゃんとした就業規則なんてあるわけもないし、社労士がついて決めた額面でもないでしょうね。「なんとなく流行っていそうだから書いてみた」くらいの程度の会社だと思います。

それにしてもこの固定残業制というやつは、とんでもなく年収額を圧縮できる経営者だけがオイシイ思いをする制度なんでしょうね。ちゃんと明記されていれば違法ではないですし、この手当を引いても大体は最低賃金を下回らないように計算されています。働く人たちの給料が上がらない理由には、こういった制度の暗躍も含んでいることを忘れてはいけません。

最後に、最近あんまり見なくなった年俸制

これはその人の能力等で年収を決め、14や16で割った額面を12ヶ月に分けて支給するものです(なぜ12じゃないかというと、年2回のボーナスをイメージしているからです。年俸制を導入している企業の多くはボーナス制度がありません)。

あと、問題になっているのは裁量労働制ですね

これ、聞いたことがある人はほとんどいなかったでしょうに。最近安倍首相が国会でやっちゃったから「なんだそれ?」になっている人がほとんどなのではないかと思います。しかも、なぜだかわかりませんが裁量労働制とみなし残業がごっちゃになっている人が多いんですよね。

裁量労働制には専門業務型と企画業務型の2種類があって、専門業務型は厚労省で決められています

でも企画業務型はちょっとわかりにくいかもしれません。僕は専門業務型と同じなんじゃないか? と思っていますが、販売促進の企画や商品企画など、「ハイ、仕事のスタートはここからで、終わりはここまでね!」と定めにくい仕事がそれに当たるのだと思います。ミュージシャンや芸術家なんかも本当はその部類なんでしょうが、彼らは基本的に月給で企業に雇われている「雇われ芸術家」ではないのでこれに該当しません。

専門業務型はテレビ番組のディレクターとか、会計士とか、これも「ハイ、仕事のスタートはここからで、終わりはここまでね!」と定めにくい職種です。しかも、仕事を進めるには、それぞれの人たちの裁量(やり方、スタイル、決定権)に任せないと進まないものばかりです。

最近のニュースで騒がれている裁量労働制は何が問題なのかというと、「仕事のスタートからゴールがわりと明確な仕事も、裁量労働制にしちゃえ!」と強引な姿勢がバレバレなのです。よくある「仕事の進め方は、あなたの自由です!」は残念ながら裁量労働制ではありません。だって、その仕事、あなたがパンパンでもきっと押し付けられたり、やらないとクビにするぞ! と脅されるかもしれないからです。

我々は安月給で仕事量だけガンガン増し増し。

でも社長はおベンツでどこか遊びに行っちゃう。

こんな会社ばかりではありませんが、存在することも事実です。人生100年とか言われている日本。昔より長く働かなきゃいけないのはもう見えています。

その中で、自分の身を守れるのは自分だけ。経営者と対等に交渉できるくらいの知識と技術と経験は持っておきたいものです。