マカオのカジノは次の戦略へ、日本のカジノはこれからスタート地点へ

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昨日、先日訪問したマカオの娯楽施設について書きましたが、数日前の日経新聞にも同じような記事が載っていました。

香港資本のカジノの運営大手、銀河娯楽集団(ギャラクシーエンターテイメント)の業績が急回復している。拠点のマカオでカジノ以外のリゾート施設を充実させる戦略が当たり、2017年12月期通期の純利益は前年比67%増え、過去最高だった。マカオ政府の後押しを受けて国際会議などの誘致を狙った大型投資も計画し、中国の習近平指導部による倹約令と言う逆風を克服しつつある。

2018.4.26. 日経新聞より

マカオに行ったことのある人はギャラクシーと聞いたら「ああ、あの巨大なホテルカジノね」とお分かりでしょうが、銀河集団と一目見てサッカーチームのレアルマドリードを思い浮かべてしまう人のために、もう一度昨日の写真を貼っておきます。

この遊園地とホテルとカジノが合体したような施設を運営しているのがギャラクシーです。この建物の中にマリオットとかホテルオークラとか、リッツカールトンが入っているのです。

ちなみにこの写真はリッツカールトン51階にあるティールームからの眺め。もう少し天気が良ければ最高の景色になったのですがー。

カジノだけじゃない、クレイジーな遊園施設「マカオ」

数年前までは「マカオ=カジノ」というイメージが強かったマカオ。もちろんF1レースや世界遺産など別の顔も持っていましたが、中国本土の大金持ちが一回のゲームに何百万円という掛け金をテーブルに置いているのは僕自身も現場を見ているので、カジノの収益力が圧倒的であることに変わりありませんでした。

でも、先日2年ぶりに行ってみて感じたことは、「家族旅行先に選ばれている」ということ。今回は時間の関係で観覧できませんでしたが、一度は見ておきたい「The House of Dancing Water(ザ ハウス オブ ダンシング ウォーター)」などのショー(シルクドソレイユみたいなものです)があり、これは有料ショーではありませんがちょっとした雰囲気を味わえるフォーチュン・ダイヤモンドという噴水ショー(ギャラクシーホテルの中にあります)もあります。

壮大で幻想的な噴水は、ショーの時間が来ると目まぐるしく動きます。どう動くかは見てのお楽しみ。

あとは、ウィーンパレスのプチゴンドラ(ロープウェイ)ですね。これも無料で楽しめます。しかもロープウェイの曲がる角度が結構鋭角なので、ちょっとしたスリルも味わえるところがマカオっぽいと思いました。

一つに6人くらい乗れるゴンドラ。乗車時間は5分くらいです。

また、昨日の記事では触れませんでしたが、どうやらマカオに電車っぽいものを作っているようです。「電車っぽい」としたのは、完成するものが日本でいう”ゆりかもめ”みたいなものだからです。

LRTが完成すれば、マカオはもっと便利になる

マカオの面積は東京世田谷区の半分くらい。小ぢんまりした場所なのでホテルから出ている無料シャトルバスと初乗りが安いタクシーがあれば不便に感じることはありませんでした。しかしLRT(Light Rapid Transit)が完成間近ということになると、また行きたくなりますね。

全面開通するとこんな感じになるそう。もっとコンパクトに遊べる街になります。

最初に開通するのは、上のマップでいうとピンクの線と青の線。それだけでも便利なのに細かいエリアまで伸ばしていくようなので、今から本当に楽しみです。

そんなマカオですが、無料シャトルバスだけでも便利だというのに、なぜ新交通システムを建設しているかというと「カジノ収益だけに頼らない新たな戦略」を用意しているからです。新しいといってもそんなに斬新なものではないのですが、国際会議や見本市が開催できるインフラの整ったエリアに整備しています。中でもギャラクシーは「MICE(マイス)」と呼ばれるカジノ以外の柱を模索し始めました。

日本は4/27にカジノ法案を閣議決定しましたね

つまり、「ようやく国会に法律のアイデアを提出するよ」ということなんで、きらびやかなカジノの世界が日本国内でお披露目されるのはまだまだ先のことなんです。

日本人の入場料は6000円だの、ギャンブル依存症の人はどう対応すれば良いかだのと、いろいろ騒がれていますが、僕は別の視点で心配していることがあります。治安の悪化やマネーロンダリングもそうなんですが、マネーロンダリングはお金持ちの世界の中で繰り広げられる懸念点で、庶民はあんまり関係ないような気がします。

また、マカオに限っては、治安が悪いと思ったことはありません。もちろん自分の貴重品を自分で守ることは世界万国共通ですが、ひったくりやスリにあったりしたことはありませんでした。

ただ、アメリカのラスベガスは怖いですね。一回しか滞在したことがありませんが、最近凶悪な事件があって注目を浴びました。ああいう事件だけはあってはならないことです。

僕が思った日本カジノの懸念点

カジノ目当てで来日する旅人はそんなにいない説

まずは、「そんなにカジノ目当てで日本に旅行しに来る外国人っているの??」ってことです。まあどこでもギャンブル狂いの人はいるんでしょうが、わざわざギャンブル欲求を解消するために日本に来るのか? ということです。

ラスベガスは世界各国からアメリカ旅行に来ている人たちが、グランドキャニオン観光を楽しみつつ、あのクレイジーな街の雰囲気を楽しみ、ちょっとカジノで遊んでいくようなイメージがあります(僕の中でのイメージですがー)。

それに対してマカオは、中国という特殊な政治的環境により、お金はあっても娯楽が少ない人たちが「言葉がそのまま通じてガンガン遊べる近い場所」だったんだと思います。もちろん中華系以外の外国人も一般フロアで遊んでいますが、VIPルームでゲームに興じている人の中に中華系以外の人たちを見たことはありませんでした。

そんなわけで、「カジノでお金をガンガン使ってくれる層を取りこむ戦略がなさそう…」というのがまず一つ。遊園地・アトラクションだって、有料になりますが東京ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオ、ナガシマスパーランド、ハウステンボスなど優秀な場所はすでにたくさんあるわけですから、そっちの面でも競合が多いわけです。

リゾートやホテル施設、飲食店などで働きたい! と思っている人は少ないんじゃないか説

これも結構大事だと思います。日本がカジノをオープンする頃には語学の問題はテクノロジーによって解決されていると思いますので、英語力がどうたらこうたらと問われることはないと思いますが、現在の日本で、飲食店や宿泊施設でめっちゃ働きたい! とお考えの日本人は少ないと思います。

どのように調査したのかが詳しく書かれていませんでしたが、こういう資料はあったので参考用にご紹介します。

人気企業ランキング2017-社会人が選ぶ“働きたい企業”第1位は?
ビジネスパーソン5,000人に、「もし転職するなら、どの企業に転職したい?」というテーマで調査をしました。多くの人から支持を集めたのは、どんな企業なのでしょうか。上位300社を発表します。

「転職ランキング」とあるので、一度は社会人を経験したビジネスパーソンが対象だと思いますが、ざっと目を通す限り、リゾート・サービス系の企業は星野リゾートさんくらいでした。あとはホテル系に就く可能性があるのは「〜〜鉄道」とある鉄道会社のホテル部門です。

でも、車掌さんになることを夢見て鉄道会社に転職したのに、面接とかで説得されてホテル部門に泣く泣く配属されても、仕事に面白みを感じなければすぐに辞められちゃうかもしれませんね。

外食会社は見つけられなかったと思います。近くて中食のロック・フィールドさん。でもカジノ事業にはあんまり関係ないか。

そんなわけで、「マカオをちょっと知ったような奴」が勝手に日本のカジノ未来を想像してみましたが、どうなるんでしょうかね。アジアの、または世界の中で存在感を出していけるのか、僕たちはいろんな国で情報をインプットし、未来に備えておかなければいけません。